お知らせ
2024.01.29
日本化学産業株式会社(社長・柳澤 英二)は、このほど、EUをはじめ世界的に、人体や環境への影響が懸念されている、有機フッ素化合物(PFAS)を含まない、無電解複合めっきを新たに開発し、特許を出願しました。
この技術は、従来、一般的に用いられている、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)複合めっきと同程度の撥水性および摺動性をもつ一方で、撥油性はPTFE複合めっきよりも弱いという特長があります。
こうした特長から、潤滑油の存在下においても油保持性が高く、摺動性が期待できるため、自動車をはじめとする摺動部品への活用に有効な新技術だと考えています。
一般的にPTFE複合めっきは、摩擦係数が低く、耐久性に優れていることから、広く、摺動性部品等に使用されています。一方で、PTFEをはじめとするPFASは化学安定性が高いため、長期間、自然界で分解されずに環境中に残留・蓄積することから、人体や環境への影響が懸念され、世界的にPFASへの規制の検討が進められています。
こうした状況を踏まえ、当社では、長年にわたる、独自の表面処理技術に関する研究をさらに進化させ、新規樹脂パウダーを採用して、界面活性剤を含め、PFASを使用しない、無電解複合めっきの開発に至りました。
この新技術は、PTFE複合めっきと同程度の撥水性および摺動性があるため、過酷な摺動環境下やメンテナンスが困難な環境においても使用が可能です。さらに、撥油性は弱いため、これまでPTFE複合めっきが適さなかった、潤滑油やグリスなどが存在する環境下でも、摺動性が期待できます。
「環境課題解決」と「高いめっき性能」が両立できる、こうした特長から、自動車をはじめとする摺動部品へのPTFE代替めっきとして、広く活用いただけるものと考えています。
・新規樹脂パウダーを採用し、界面活性剤を含めた、PFASフリーを実現した無電解複合めっき(特許出願済)。
・撥水性および摺動性は、PTFE複合めっきと同程度の性能。
・撥油性が、PTFE複合めっきより弱いため、潤滑油やグリスとの共存も可能。
※本技術は、2024年2⽉1⽇(⽊)開催の⽇本表⾯処理機材⼯業会主催「環境セミナー」にて、発表します。詳細はこちらをご覧ください。